4月2012

塾内テストの前に

4月7日と4月14日に塾内テストが行われました。塾内テストの前に、塾生の皆さんにテスト時間割を配布し各学年の実施時間を周知していきました。
「えーこんなに早くから長い時間やるんだ」
「五科目一度にやるんだ・・・」
悲鳴にも近い声が発せられることもありました。確かに中学校の定期試験などより一日に行う教科数が多いのは事実です。しかし、都立高校をはじめとする高校受験の場合、一日の日程で5教科行うのが普通です。塾内テストはそういう受験日程に体を慣らすという役割も大変大きいと思っています。塾内テストでできなかった問題を通常授業で復習すると難なく解けるという話がよくあります。こういう場合は問題の難易よりもテスト自身に体がついていけないことが原因となっていることがあります。
「塾内テストや模擬試験は耐久力テスト」と私は思っています。問題の難易よりも前にテストを行うことにめげてしまったら何にもなりません。いかなる長文問題も最後まで読み切ることが必須条件です。そのうえで内容を把握していく。そして問題文の意味が正確に把握できればその問題の8割が解けたといっても過言ではないと思います。本当に問題文がよく理解できると、これから出る設問が予感できる経験があった方もいるのではないでしょうか。しかしそこまでいかなくとも、とにかく「めげずに読み切る」ことは何にもまして重要です。塾内テストや模擬試験をいくつもこなし、塾生の皆さんにはこの「勉強の耐久力」をつけていってもらいたいと思います。この耐久力をつける訓練は普通の勉強の中でもできます。例えば、できなかった問題の解説を丁寧に読みこなしていき、自分で完全解答を作ることを繰り返していく。このようなことで「勉強の耐久力」をつけることもできますが、勉強以外の場面での方法もあるようです。その方法についてはまた別の機会に紹介していきたいと思います。

桜(ソメイヨシノ)について

 桜(ソメイヨシノ)は既に葉桜になってしまいました。満開であった一週間ほど前、お花見に行かれた方も多かったのではないでしょうか。 今回の話題は桜(ソメイヨシノ)です。

 はじめはサクラの蜜腺についてです。皆さんサクラの葉の葉柄に蜜腺があることご存知ですか。サクラの葉っぱを手に取る機会がありましたらご覧ください。私がこの事実を知ったのは中学校の理科(生物)の授業の中でした。蜜腺は通常花の中にあるのですが、サクラは葉柄にあるという変り者です。このときお教えくださった先生の「さー、何でこんなところについているのでしょうかね。理由は分かっていないんですよ」という言葉がとても印象的で、今でも私の中で鮮明に記憶に残っています。現在では「数多くで活動する肉食昆虫のアリを集めてサクラに危害を加える草食昆虫が近づき難いようにしているのではないか」との理由付けがなされているようです。

 次はサクラの中でもソメイヨシノについて。ソメイヨシノはサクラの代表といっても過言ではないと思います。どこの小中学校にも必ずあります。通常植物は自然を表す代表としてありますが、しかしこのソメイヨシノは観賞用植物として最も人工的な存在です。それはソメイヨシノが自然交配で繁殖することは不可能で、全て人手による接ぎ木か挿し木によって増えさせるしか方法がないからです。接ぎ木か挿し木で増えるということは、元にあった一本のソメイヨシノから全て分かれていったと考えられます。ソメイヨシノは全て遺伝的に同一の個体が全国・全世界(有名なワシントンのサクラを含む)に広がったということになります。したがって遺伝的に同一の個体なのですから、条件がそろえばほぼ同時にソメイヨシノが開花するのは納得できるように思います。

 葉桜になってしまっている今、今回述べた内容を想いながら桜(ソメイヨシノ)を眺めてはいかがでしょうか。そして受験生の諸君は来年の「サクラサク」を想いながら葉桜を眺めることになるでしょうか。

内容を厳選して勉強

 前回の話の最後に、前日勉強の方法を述べました。今回は「内容を厳選して勉強」することについてもう少し話を進めます。
 やはりポイントはどうやって「内容を厳選」するかです。例えば全てを「ノート1ページ」に記入しようとすると、限られたスペースのため「自分で分かっているところ」は選べません。自分の分からないこと、うろ覚えのところを中心に探し、限られたスペースへ丁寧に小さな字で書き込んでいきます。こうすれば、「物理的」に厳選することができます。そして記入完成の頃には書いていった内容の多くを覚えてしまうものです。もう一度読み返したりすれば、普通に勉強するのと勝るとも劣らないぐらい覚えた状態になります。

 この方法には二つの利点があります。ひとつは真に自分の分からないところだけを抽出できること。時間や記入場所の制約のある中で自分用に内容をより実戦的に厳選できます。これは大変重要な作業です。否応なく現在の自分の状態を把握する術に通じます。今自分が必要とすることのみを厳選することは、自分の行わなければならないことを最適化する作業に他なりません。
もうひとつは、小さな場所に工夫して一生懸命記入していくことは結果的に記憶していくことで一番必要な行為となります。それに小さな場所に詰め込んで記入することは、情報を一目で把握することができます。中にはその一目の範囲の内容を、「図柄」としていっぺんに記憶できる人もいることでしょう。 そこまでいけば達人の域です。
今まで語ってきた方法の要素は、日常の勉強の中でも活用できることは理解いただけたと思います。一度お試してみてはいかがでしょうか。今まで述べた方法は、中学生当時の失敗のエピソードからヒントを得ています。その話は第二教室に来ていただいた方に直接お話しましょう。

勉強がよくできるようになには「よく眠ること!」

だれしも勉強をすることに時間がかかります。ましてや部活動などに時間がとられ、襲い掛かる睡魔との戦いが毎晩続き、学校の宿題をこなすのに毎日苦労している生徒諸君も多いはずです。「青春は眠い!」とはよく言ったものです。課題をこなすために睡眠時間を削って行うこともよくあると思います。提出期限を守るためには致し方ないかもしれません。しかし、物事を習得するためだけを考えた場合、睡眠を削って勉強することは決して得策ではないようです。
近頃の研究成果で様々なことが分かってきました。良質な睡眠をとっている間に頭の中(シナプス)が整理され、重複している部分をなくしたりしているようなのです。記憶に関していえば、寝る前にチェックしてできなかったところが、睡眠後に同様にチェックした場合成績がよいことが報告されています。別の研究では睡眠をよくとっている方がいわゆる知能が高くなるというレポートもあります。(この辺の内容はNHK出版新書「眠りのミステリー」櫻井武著に書いてあります)昔から「寝る子は育つ」といわれてきましたが、体だけでなく頭にも該当するようです。
定期試験の前に記憶しなければならない場面で、徹夜してやったという勉強はお勧めできないことはご理解いただけたと思います。記憶しなければならない内容を厳選し、良質な眠りの時間を確保するために決断を持って勉強を打ち切り次の日に備える、これが前日勉強の極意ということになるでしょうか。一度試してみる価値はあると思います。