
世はまさにキャラクター全盛時代。新しいキャラクターが続々と日本中を席巻し、
次は「我こそは!」と、企業も公共団体も、有象無象のキャラクターを作り上げる。
そのため、取り残され、捨てられていくキャラクターも星の数ほど。
ステップ君の前身、アヒル君もそんな悲しい運命になるところだった・・・。
「このアヒル、もらってくれませんか?」
今をさかのぼること数年前、ステップアカデミーの最初の教室が生徒さんの急増に伴い手狭になり、
大きな教室に移転する、まさにその日、塾統括長とステップ君の運命の出会いが待っていたのであった。
このアヒル君、ある会社で活躍していたキャラクターだったのだが、お役御免となってしまい、
行き場を失っていたところだった。
キャラクターなのに、何のとりえもない、ただのアヒル。
手もない、足もない、大きな図体の割に自信がなさそうなうつろな目。
でも、その瞳の奥にきらきらと輝く純粋無垢な心を感じ取った塾統括長は即座に
『喜んで』と即答したのであった。
その瞬間、「ステップ君」が誕生した。
そして塾統括長は言った。
「今日から君の名前はステップ君だ。君の役目は生徒さんの
成績アップを心の底から祈り応援すること。分かったね」

その日から、ステップ君は来る日も来る日も生徒さんの成績アップを心の底から祈り応援し続けた。
そして、純粋無垢な瞳から見続けた教室の光景は・・・。
最初は成績不振で自信がなさそうに入塾してくる生徒さん。それを親身になって応援する指導経験豊富な先生達。徐々に理解し分かるようになり自信がでてくる生徒さん。あの子もこの子も入塾した時とは比べようがないほど、輝かしい目をして「やる気」がみなぎっている。まるで魔法をかけられたように。
いつしか、自信がなさそうなうつろな目をしていたステップ君自身も輝かしい目に変化していた。
『頑張れ・・・』心の中で叫び続けるステップ君。
すると、驚いたことに、ある日、手と足がにょきにょきと生え出して来たのであった。

実はステップ君、最初は心の奥底で気が引けていたことがあった。内申書で下から2番目の成績、
『2』といえば別名『アヒル』。
「僕なんか学習塾のキャラクターに向いてないんじゃないか」と。
それが、塾生のみんなが頑張っている姿を見て、一生懸命に応援し続けるうちに気持ちが前向きに
変化してきたのだ。
「今はまだ学習塾のキャラクターにふさわしくないかもしれない。
しかし、僕だって頑張ればきっと出来るんだ。」
という想いが強まってくるのに従い、どうしたことか、体がむずむずしてきて・・・・。
なんと、手と足が生え、走ったり、踊ったりできるようになったのだ。

「すごい!もはや僕はただのアヒルじゃない!
頑張れば、この通り、内申書の1番上の成績、『5』にだってなれるのだ!」
そう言って、体全体を使って、『5』を表現するステップ君。
そう、新生ステップ君の誕生だ!

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