「勉強の耐久力」と弟子入り修行

以前に「勉強の耐久力」について述べましたが、今回その耐久力のつけ方について述べます。ここ10年の脳科学の発達は前回述べましたが、「勉強の耐久力」をつける方法もその中で相当分かってきました。

突然ですが、次のような話がよくあります。師匠の所に弟子入りして、長い間家の掃除や洗濯、薪割りばかりやらされなかなか御稽古をつけてくれない・・・・。といった光景が時代劇の中に現れます。御稽古に入る前に「忍耐力」をつける為の修行としてあらわされますが、現代の脳科学から説明すれば次のようになるでしょうか。ノルアドレナリンとドーパミンの分泌を調整するセロトニンが不足すると感情の調整が難しくなり、感情むき出しの状態が表れやすくなってしまいます。定常的な感情調節ができる状況を確保するにはセロトニンの分泌が必須です。セロトニン分泌させる方法はリズミカルな運動を続ける、2500ルクス以上の光(日光)にあたる、丹田呼吸を行う、などがあります。それを先程の「弟子入り生活」の中で行ったとしたら「朝早く、朝日の中で一日分の薪割りをおこなう。」「朝日の当たる縁側を何回も往復しながら雑巾がけをおこなう。叩きや箒を使って掃除する。」となるかもしれません。一定時間かかる作業を呼吸法まで考えて行ったとしたら完璧にセロトニン分泌を促す行動そのものと言っても過言ではないと思います。そのような修行をつんでいるある日、師匠から突然稽古場に呼び出され本格的な稽古が始まる・・・。

小中学生のセロトニン分泌促進の方法は意外に簡単に行えます。、朝少々早く起きて15~30分程度散歩をする。朝起きて朝日の中で15~30分疲れない程度に縄跳びをする。決して一所懸命になりすぎないことが重要です。なーんだそんなことと思われるでしょうが、最低でも3か月連続して行えば脳の状態・セロトニン分泌が変わり、効果(精神的安定等)を実感できるようです。(弟子入り掃除修行の期間もこれくらいでしょうか)このような方法で「耐久力=精神的安定」が獲得できることは昔からも言われてきたことですが、なぜそれが良いのか21世紀は科学的理由が明らかになりました。「耐久力」がついてその上で学習が積み重なれば、試験途中で気力が失せることもなく貫徹することができるようになります。そして自ずと成績も上向きになるのではないでしょうか。