受付の先生 そして 読書の効用

 とある日、小学生の塾生に「受付の先生」と呼ばれたことがありました。たぶん私の名
前をまだ覚えていないか、または名札を見ても何て読んでよいかわからなかったのでし
ょう。でもそのとき、その子が言った「受付の先生」というニュアンスになにか心地良さを
感じました。塾の中で勉強だけでなく、できるだけなんにでも対応する。今流にいえば「コ
ンシェルジュ」なのでしょうか。実は一方で塾開始前のメンテナンススタッフとしての役割
も勝るとも劣らず重要なのですがこちらは空気のような存在です。皆さんがこのことに
気付かないことが通常・正常なのだと思っています。

 今まで脳についていろいろ述べてきましたが、今回はそれに関連して「読書」につい
てです。

 まだ暑い日が続いていますが、もうお彼岸も過ぎて季節的には秋だと思います。食欲
の秋であると共にやはり読書の秋。今回は読書の効用について述べていきます。今ま
で述べてきた脳の話を思い出しながら読まれていくと面白いと思います。

 小さきころから読書に親しむと
  「集中力の持続時間が長くなる」
  「物語の理解に必要なことが身につく」
  「読書により異文化等への理解・共感する能力がつく」
などがついてきます。これらはその後の勉強のスタイル(自習・自学)の基礎ともなりま
す。勉強することの持続、新しい概念を理解するための新しい知識等の獲得、新しい物
を自分の物とし且つ共感的理解をする。このようになれば勉強は楽しいものに、少なくと
も毛嫌いしてやらなくなることはないと思います。全ての子供たちにその辺を感じてもら
えればと思っています。

 また、この頃のサセックス大学からのレポートによると、わずか6分間の読書でストレ
スの3/2以上が軽減され、散歩や音楽鑑賞よりも効果がある結果のようです。脳にとっ
て音楽鑑賞のような受動的行為より、読書という能動的のほうが効果があるということ
です。肩こりに対してもみ治療をするより肩まわり等の運動をすることの方が効果があ
るのに似ています。愛読書を常に持ち歩き、リフレッシュするためにお気に入りの場所
をちょっと読む。覚えておいて損のない方法です。

 読書=能動的行為であることは、テレビ・テレビゲームなどが受動的であることと決定
的に違います。受動的にテレビゲームを行っている間、脳の活動が低下を示すデータは数々あります。しかし、能動的行為である読書は脳を間違いなく活性化します。文字か
ら与えられた内容を想像によりイメージ化したり、行間にあることを読み込んだりして脳
の機能をフル活用します。その間神経も発達し、ひいては脳の体積も増えていっていく
のだと思います。
 習慣化できるとよい読書、勉強方法の基礎となりうる読書、脳トレにもなる読書、みん
なに習得してもらいたいものです。               
これが私の最後のブログです。短い間でしたが、ありがとうございます。つたない文章で
したが塾生諸君や皆さんの参考になれば幸いです。